日本は、残業時間が多い国です。
残業によるワークライフバランスが取れず、
健康を害する話も多く取り沙汰されて来ました。
最近では残業禁止の形を取る企業が多くなってきました。
結果、業務の効率化を図る機会が作れた場合や、
社内体制の適正化を図り、見事健全企業体制を築けた企業もあります。
しかし反面、
会社に指定された帰宅時間になろうとも、
仕事が終わらなければ投げ出す訳にいかないが故、
どこか陰で調整せざるを得なくなっているケースが
多く存在するようになりました。
又、一見残業時間が無いように見える企業でも、
実際はタイムカードを帰社前に先に押さざるを得なかったり、
一括手当という形で正当な賃金が支払われていないというケースが
多々存在する形になってしまいました。
これは、
「企業の体裁」「コストカット」「仕事の責任」
この3点が生み出した捻れ現象になります。
この捻れ現象により、
残業というものは腫れ物の様な扱いになり、
正面から向き合う風潮は無くなってしまいました。
これで、本当に問題が改善したと言えるのでしょうか?
今、一番必要なのはこの現状に対して、
先ず一旦全てを受け止め、正面から残業というものに
真摯に向き合う事ではないでしょうか。
「臭いものには蓋をしろ」
このままでは、永遠に物事は解決しません。
問題に向き合い、把握してこそ、
本当の解決の糸口が見えてくるものだと思います。
私の個人的見解としては、
残業そのものが悪とは思いません。
仕事を多くこなすという事に対しては、
様々なポジティブな要素や考え方があると思います。
只、後ろ向きな残業環境によって構成されるネガティブな要素は、
社員にとっても、企業にとっても、今後の日本にとっても、
解決すべき要素だと感じます。
残業協会は、協会員だけの団体ではありません。
本協会に集まった人達と共に共感し、
向上することで存在意義を発揮出来る団体だと思います。
多くの人々と共に現状に対して
「向き合うキッカケ」を作ることで、
日本の明るい未来に向けた一石を投じる団体でありたいと思います。
2013年10月 吉日
残業協会会長